Fil-GAPで出題した問題一覧

ID 問題文 正解 解説 領域
id02
( q1 )
問題1     基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生菌に対して活性を示すセフェム系薬はどれか。(id02) (q1)
  1. セファゾリン
  2. セフォタキシム
  3. セフォチアム
  4. セフトリアキソン
  5. セフメタゾール
e 基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)は、主に大腸菌や肺炎桿菌などの腸内細菌科細菌が産生する酵素であり、第4世代セファロスポリン系薬まで分解する。Ambler分類のクラスAに属するβ-ラクタマーゼで、最もよく知られているESBLはCTX-M型である。モノバクタム系薬にも耐性を示す。セフメタゾールはセファマイシン系薬の代表であり、ESBLの基質となりにくく、ESBL産生菌に対して一定の活性を示す。
👉ESBL
👉ESBL産生菌
プール07
抗菌薬スペクトル
id57a
( q2a )
問題2     「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027)」において、使用量減が目標として定められている経口抗菌薬はどれか。2つ選べ。(id57a) (q2a)
  1. 第三世代セファロスポリン系薬
  2. マクロライド系薬
  3. ペニシリン系薬
  4. テトラサイクリン系薬
  5. アミノグリコシド系薬
a,b AMR対策アクションプランとは、薬剤耐性(Antimicrobial Resistance: AMR)の拡大を抑制するために、日本政府が策定した包括的な計画である。この計画では、人と動物の健康を守るために、抗菌薬の適正使用や研究開発の推進、監視体制の強化が掲げられている。特に、抗菌薬の過剰使用が耐性菌の出現と拡大に寄与することから、抗菌薬の使用量削減が重要な目標として設定されている。
使用量減が目標として定められている経口抗菌薬は、第三世代セファロスポリン系薬、マクロライド系抗菌薬およびフルオロキノロン系薬である。これらの抗菌薬は、適正使用が推進されるべき主要な対象とされており、特に不必要な処方を抑制することが求められている。
*出題時の選択肢は単に「セファロスポリン系薬」としていたが、正確には「第三世代セファロスポリン系薬」とすべきと考え、公開に際して選択肢を修正した。
👉使用量減が目標として定められている経口抗菌薬
プール01
NAP
id57b
( q2b )
問題3     「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027)」において、使用量減が目標として定められている経口抗菌薬はどれか。2つ選べ。(id57b) (q2b)
  1. 第三世代セファロスポリン系薬
  2. フルオロキノロン系薬
  3. ペニシリン系薬
  4. テトラサイクリン系薬
  5. アミノグリコシド系薬
a,b AMR対策アクションプランとは、薬剤耐性(Antimicrobial Resistance: AMR)の拡大を抑制するために、日本政府が策定した包括的な計画である。この計画では、人と動物の健康を守るために、抗菌薬の適正使用や研究開発の推進、監視体制の強化が掲げられている。特に、抗菌薬の過剰使用が耐性菌の出現と拡大に寄与することから、抗菌薬の使用量削減が重要な目標として設定されている。
使用量減が目標として定められている経口抗菌薬は、第三世代セファロスポリン系薬、マクロライド系抗菌薬およびフルオロキノロン系薬である。これらの抗菌薬は、適正使用が推進されるべき主要な対象とされており、特に不必要な処方を抑制することが求められている。
*出題時の選択肢は単に「セファロスポリン系薬」としていたが、正確には「第三世代セファロスポリン系薬」とすべきと考え、公開に際して選択肢を修正した。
👉使用量減が目標として定められている経口抗菌薬
プール01
NAP
id57c
( q2c )
問題4     「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027)」において、使用量減が目標として定められている経口抗菌薬はどれか。2つ選べ。(id57c) (q2c)
  1. マクロライド系薬
  2. フルオロキノロン系薬
  3. ペニシリン系薬
  4. テトラサイクリン系薬
  5. アミノグリコシド系薬
a,b AMR対策アクションプランとは、薬剤耐性(Antimicrobial Resistance: AMR)の拡大を抑制するために、日本政府が策定した包括的な計画である。この計画では、人と動物の健康を守るために、抗菌薬の適正使用や研究開発の推進、監視体制の強化が掲げられている。特に、抗菌薬の過剰使用が耐性菌の出現と拡大に寄与することから、抗菌薬の使用量削減が重要な目標として設定されている。
使用量減が目標として定められている経口抗菌薬は、第三世代セファロスポリン系薬、マクロライド系抗菌薬およびフルオロキノロン系薬である。これらの抗菌薬は、適正使用が推進されるべき主要な対象とされており、特に不必要な処方を抑制することが求められている。
👉使用量減が目標として定められている経口抗菌薬
プール01
NAP
id09
( q3 )
問題5     自然耐性に関する説明として正しいのはどれか。(id09) (q3)
  1. 大腸菌はセファゾリンに自然耐性を示す。
  2. Stenotrophomonas maltophiliaはメロペネムに自然耐性を示す。
  3. 黄色ブドウ球菌はオキサシリンに自然耐性を示す。
  4. 腸球菌はバンコマイシンに自然耐性を示す。
  5. 緑膿菌はアミカシンに自然耐性を示す。
b 緑膿菌のアミノペニシリン耐性、Stenotrophomonas maltophiliaのカルバペネム耐性がよく知られている自然耐性である。自然耐性は一次耐性と同義である。
👉EUCAST expert rules
プール07
抗菌薬スペクトル
id56a
( q4a )
問題6     多剤耐性緑膿菌の基準となる抗菌薬はどれか。2つ選べ。(id56a) (q4a)
  1. イミペネム
  2. シプロフロキサシン
  3. クラリスロマイシン
  4. ミノサイクリン
  5. アンピシリン
a,b 元々緑膿菌は複数の抗菌薬に自然耐性を示すが、二次耐性(獲得耐性)として、カルバペネム系薬フルオロキノロン系薬アミノグリコシド系薬の全てに耐性を示す緑膿菌を指す。緑膿菌はブドウ糖非発酵菌(≒好気性菌)で酸素が豊富な場所を好み、かつ飢餓に耐えるため、環境中に長期に生存する。健康な人に感染しにくい一方、一旦感染すると治療が難しい。接触予防策が重要であるが、環境清掃なども重要である。JANISによる報告でも分離はほぼ横ばいかやや低下傾向にあり、日本では現時点では比較的制御されている。ただし、海外ではMDRPの比率が数十%を超える地域もあり、海外からの持ち込みには注意が必要である。感染症法5類定点に定められている。
👉MDRP
👉薬剤耐性緑膿菌感染症
プール02
耐性菌
id56b
( q4b )
問題7     多剤耐性緑膿菌の基準となる抗菌薬はどれか。2つ選べ。(id56b) (q4b)
  1. イミペネム
  2. アミカシン
  3. クラリスロマイシン
  4. ミノサイクリン
  5. アンピシリン
a,b 元々緑膿菌は複数の抗菌薬に自然耐性を示すが、二次耐性(獲得耐性)として、カルバペネム系薬フルオロキノロン系薬アミノグリコシド系薬の全てに耐性を示す緑膿菌を指す。緑膿菌はブドウ糖非発酵菌(≒好気性菌)で酸素が豊富な場所を好み、かつ飢餓に耐えるため、環境中に長期に生存する。健康な人に感染しにくい一方、一旦感染すると治療が難しい。接触予防策が重要であるが、環境清掃なども重要である。JANISによる報告でも分離はほぼ横ばいかやや低下傾向にあり、日本では現時点では比較的制御されている。ただし、海外ではMDRPの比率が数十%を超える地域もあり、海外からの持ち込みには注意が必要である。感染症法5類定点に定められている。
👉MDRP
👉薬剤耐性緑膿菌感染症
プール02
耐性菌
id56c
( q4c )
問題8     多剤耐性緑膿菌の基準となる抗菌薬はどれか。2つ選べ。(id56c) (q4c)
  1. シプロフロキサシン
  2. アミカシン
  3. クラリスロマイシン
  4. ミノサイクリン
  5. アンピシリン
a,b 元々緑膿菌は複数の抗菌薬に自然耐性を示すが、二次耐性(獲得耐性)として、カルバペネム系薬フルオロキノロン系薬アミノグリコシド系薬の全てに耐性を示す緑膿菌を指す。緑膿菌はブドウ糖非発酵菌(≒好気性菌)で酸素が豊富な場所を好み、かつ飢餓に耐えるため、環境中に長期に生存する。健康な人に感染しにくい一方、一旦感染すると治療が難しい。接触予防策が重要であるが、環境清掃なども重要である。JANISによる報告でも分離はほぼ横ばいかやや低下傾向にあり、日本では現時点では比較的制御されている。ただし、海外ではMDRPの比率が数十%を超える地域もあり、海外からの持ち込みには注意が必要である。感染症法5類定点に定められている。
👉MDRP
👉薬剤耐性緑膿菌感染症
プール02
耐性菌
id54a
( q5a )
問題9     使用後の注射針を廃棄する容器のバイオハザードマークの色はどれか。(id54a) (q5a)
b
  1. 鋭利なもの(注射針等) 黄色
  2. 液状又は泥状のもの(血液等) 赤色
  3. 固形状のもの(血液等が付着したガーゼ等) 橙色
  4. 分別排出が困難なもの 黄色
👉環境省 環境再生・資源循環局. 廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル 令和4年6月
第111回看護師国家試験 第20問を参考に出題。
プール03
バイオハザード
id54b
( q5b )
問題10   血液などの液状のものを廃棄する容器のバイオハザードマークの色はどれか。(id54b) (q5b)
a
  1. 鋭利なもの(注射針等) 黄色
  2. 液状又は泥状のもの(血液等) 赤色
  3. 固形状のもの(血液等が付着したガーゼ等) 橙色
  4. 分別排出が困難なもの 黄色
👉環境省 環境再生・資源循環局. 廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル 令和4年6月
第111回看護師国家試験 第20問を参考に出題。
プール03
バイオハザード
id54c
( q5c )
問題11   血液が付着したガーゼを廃棄する容器のバイオハザードマークの色はどれか。(id54c) (q5c)
d
  1. 鋭利なもの(注射針等) 黄色
  2. 液状又は泥状のもの(血液等) 赤色
  3. 固形状のもの(血液等が付着したガーゼ等) 橙色
  4. 分別排出が困難なもの 黄色
👉環境省 環境再生・資源循環局. 廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル 令和4年6月
第111回看護師国家試験 第20問を参考に出題。
プール03
バイオハザード
id53
( q6 )
問題12   抗菌薬と投与回数の組み合わせとして正しいのはどれか。2つ選べ。(id53) (q6)
  1. セフトリアキソン --- 1 日1 回
  2. レボフロキサシン --- 1 日1 回
  3. メロペネム --- 1 日1 回
  4. アルベカシン --- 1 日4 回
  5. セファゾリン --- 1 日1 回
a,b β-ラクタム系薬は時間依存性であるため複数回に分けて投与するが、例外的にセフトリアキソンは半減期が長いため、通常1日1回の投与で十分な血中濃度を維持できる。キノロン系薬やアミノグリコシド系薬は濃度依存性であり、1日1回が原則である。 固定問題
PK/PD・TDM
id52
( q7 )
問題13   静菌的な作用を示す抗菌薬はどれか。2つ選べ。(id52) (q7)
  1. クラリスロマイシン
  2. リネゾリド
  3. バンコマイシン
  4. レボフロキサシン
  5. メロペネム
a,b アミノグリコシド系薬以外の蛋白合成阻害薬は静菌的である。マクロライド系薬、テトラサイクリン系薬、オキサゾリジノン系薬などが含まれる。 プール04
抗菌薬の作用機序
id51
( q8a )
問題14   血液培養の採取について正しいのはどれか。2つ選べ。(id51) (q8a)
  1. 好気ボトルよりも嫌気ボトルに先に入れる。
  2. 好気用と嫌気用はそれぞれ別の部位から採血する。
  3. 血液培養のボトルのゴム栓部分はアルコールで消毒する。
  4. 採血部位はアルコールで消毒してはならない。
  5. 黄色ブドウ球菌が培養されたら汚染菌と判断する。
a,c 注射器に入っている空気(酸素)が嫌気培養に影響を与えないよう、嫌気ボトルに先に血液を入れるのが基本である。
好気用と嫌気用は同じ穿刺部位から採血してよいが、異なるタイミングで複数セット採取することで感度を高める。
ゴム栓部分をアルコールでしっかり消毒することで、外部からの汚染を防ぐ。
採血部位はアルコールで十分に消毒する。
黄色ブドウ球菌は病原性が高く、血液中で検出された場合は、感染症(菌血症や敗血症)と判断する可能性が高い。
固定問題
検査・検体採取
id43
( q8b )
問題15   腸内細菌科細菌に共通する特徴はどれか。2つ選べ。(id43) (q8b)
  1. 通性嫌気性菌である。
  2. ブドウ糖を分解し酸を産生する。
  3. LPS を持たない。
  4. コアグラーゼを産生する。
  5. 芽胞を形成する。
a,b 腸内細菌科(Enterobacteriaceae)はグラム陰性通性嫌気性菌の一種で、大腸菌や肺炎桿菌などが含まれる。近年は、上位の分類である腸内細菌目(Enterobacterales)の呼称を用いることが多い。腸内細菌科は通性嫌気性菌であり、酸素がある環境では好気的に、酸素がない環境では発酵によりエネルギーを獲得する。グラム陰性菌であり、リポ多糖(Lipopolysaccharide, LPS)を持つ。コアグラーゼを産生する細菌として黄色ブドウ球菌などがある。芽胞も形成しない。
👉腸内細菌科
プール05
微生物の特徴
id58
( q8c )
問題16   血液培養で好気用のみ陽性となった場合に最も考えられる原因菌はどれか。2つ選べ。(id58) (q8c)
  1. 大腸菌
  2. 黄色ブドウ球菌
  3. 緑膿菌
  4. 肺炎球菌
  5. アシネトバクター
c,e 血液培養において、好気用のみ陽性となる場合は、偏性嫌気性菌が原因である可能性が高い。したがって、ブドウ糖非発酵菌の緑膿菌やアシネトバクターが最も考えられる。肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌は通性嫌気性菌であり、好気と嫌気の両方で陽性になることが多い。ただし、菌量などの条件によっては、通性嫌気性菌も片方でのみ培養される可能性もある。 プール09
グラム染色
id44
( q8d )
問題17   芽胞形成菌はどれか。2つ選べ。(id44) (q8d)
  1. Bacillus subtilis
  2. Clostridioides difficile
  3. Mycobacterium tuberculosis
  4. Corynebacterium jeikeium
  5. Fusobacterium nucleatum
a,b 芽胞形成は、環境条件が厳しい際に一部の細菌が行う特殊な生存戦略であり、乾燥、熱、紫外線、化学物質に対して非常に高い耐性を持つ。芽胞形成菌は主にBacillus属とClostridium属(またはClostridioides属)に属する細菌である。両者ともグラム陽性桿菌である。Mycobacterium属は抗酸菌、Corynebacterium属は芽胞を形成しないグラム陽性菌、Fusobacterium属はグラム陰性桿菌かつ偏性嫌気性菌である。 固定問題
微生物の特徴
id42
( q8e )
問題18   腸内細菌科細菌はどれか。2つ選べ。(id42) (q8e)
  1. 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa
  2. 腸球菌(Enterococcus faecium
  3. 大腸菌(Escherichia coli
  4. 肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae
  5. 肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae
c,d 腸内細菌科とはグラム陰性通性嫌気性菌の一種で大腸菌や肺炎桿菌などが含まれる。緑膿菌はブドウ糖非発酵菌、肺炎球菌と腸球菌はグラム陽性菌である。
👉腸内細菌科
プール05
微生物の特徴
id41
( q8f )
問題19   グラム陰性ブドウ糖非発酵菌はどれか。2つ選べ。(id41) (q8f)
  1. 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa
  2. バクテロイデス(Bacteroides fragilis
  3. アシネトバクター(Acinetobacter baumannii
  4. セラチア(Serratia marcescens
  5. 大腸菌(Escherichia coli
a,c 代表的なブドウ糖非発酵菌として、緑膿菌とアシネトバクターが知られる。他に、Stenotrophomonas maltophilicaなどがある。バクテロイデスは偏性嫌気性菌、セラチアと大腸菌は腸内細菌目細菌である。
👉ブドウ糖非発酵菌
プール05
微生物の特徴
id27
( q8g )
問題20   血液培養でグラム陽性連鎖状球菌(chain)が分離された場合に考えられる原因菌はどれか。2つ選べ。(id27) (q8g)
  1. 腸球菌(Enterococcus faecium
  2. A群溶連菌(Streptococcus pyogenes
  3. 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa
  4. 大腸菌(Escherichia coli
  5. 枯草菌(Bacillus subtilis
a,b 血液培養の結果が返却されたときに原因菌を推定できるか、また、どのような耐性を想定できるかが重要である。緑膿菌と大腸菌はグラム陰性桿菌で、枯草菌はグラム陽性桿菌である。 固定問題
グラム染色
id50
( q9a )
問題21   抗MRSA 薬と特徴的な副作用との組み合わせとして正しいのはどれか。2つ選べ(id50) (q9a)
  1. バンコマイシン --- 肝機能障害
  2. リネゾリド --- 血小板減少
  3. ダプトマイシン --- CK 低下
  4. テイコプラニン --- 腎機能障害
  5. アルベカシン --- 聴覚障害
b,e 抗MRSA薬の特徴的な副作用を確認する問題である。バンコマイシンの特徴的な副作用は腎機能障害やRed man syndromeであり、肝機能障害は特徴的ではない。ダプトマイシンの特徴的な副作用は血清クレアチンキナーゼ(CK)上昇である。テイコプラニンはバンコマイシンと比較して安全性が高く、腎機能障害等の副作用は少ないとされている(トラフ値40μg/mL以上で血小板減少などの有害反応の頻度が増加し、60μg/mL以上で腎機能障害を認めたとされている)。リネゾリドは、長期投与により骨髄抑制を引き起こし、血小板減少がみられることがある。アミノグリコシド系薬のアルベカシンは、聴覚障害や腎機能障害が特徴的な副作用として知られる。
👉抗菌薬適正使用生涯教育テキスト第3版 抗菌薬TDM臨床実践ガイドライン2022
👉MRSA
プール11
抗菌薬の副作用・相互作用
id49a
( q9b )
問題22   細菌の細胞壁合成を阻害して、殺菌的に作用する抗菌薬として正しいのはどれか。3つ選べ。(id49a) (q9b)
  1. セファゾリン
  2. アンピシリン
  3. レボフロキサシン
  4. アミカシン
  5. メロペネム
a,b,e β-ラクタム系薬とグリコペプチド系薬はそれぞれ細胞壁の合成を阻害する。標的はそれぞれPBPとD-Ala-D-Alaである。
👉抗菌薬 基本編
プール04
抗菌薬の作用機序
id49b
( q9c )
問題23   細胞壁の合成を阻害する抗菌薬はどれか。2つ選べ。(id49b) (q9c)
  1. バンコマイシン
  2. セファゾリン
  3. レボフロキサシン
  4. アジスロマイシン
  5. アルベカシン
a,b β-ラクタム系薬とグリコペプチド系薬はそれぞれ細胞壁の合成を阻害する。標的はそれぞれPBPとD-Ala-D-Alaである。
👉抗菌薬 基本編
プール04
抗菌薬の作用機序
id37a
( q9d )
問題24   抗菌薬とその作用機序の組み合わせとして正しいのはどれか。2つ選べ。(id37a) (q9d)
  1. メロペネム --- DNA ジャイレースの阻害
  2. バンコマイシン --- 細胞壁の合成阻害
  3. ダプトマイシン --- 細胞膜の傷害
  4. アルベカシン --- 細胞壁の合成阻害
  5. アジスロマイシン --- DNA ジャイレースの阻害
b,c 各種抗菌薬の作用機序を問う問題である。βラクタム系薬(ペニシリン、セフェム、カルバペネム)とグリコペプチド系薬は、細胞壁合成の阻害により、抗菌活性を発揮する。キノロン系抗菌薬は、DNAジャイレースおよびトポイソメラーゼに作用し、DNA複製を阻害し、抗菌活性を発揮する。アミノグリコシド系薬やマクロライド系薬は、細菌の蛋白合成を阻害し、抗菌活性を発揮する。メロペネムはカルバペネム系薬、バンコマイシンはグリコペプチド系薬、ダプトマイシンはリポペプチド系薬、アルベカシンはアミノグリコシド系薬、アジスロマイシンはマクロライド系薬である。
👉抗菌薬 基本編
プール04
抗菌薬の作用機序
id37b
( q9e )
問題25   抗菌薬とその作用機序の組み合わせとして正しいのはどれか。2つ選べ。(id37b) (q9e)
  1. セファゾリン --- 細胞壁合成阻害
  2. クラリスロマイシン --- 蛋白合成阻害
  3. レボフロキサシン --- 外膜の傷害
  4. ダプトマイシン --- 蛋白合成阻害
  5. アルベカシン --- DNA ジャイレースの阻害
a,b 各種抗菌薬の作用機序を問う問題である。βラクタム系薬(ペニシリン、セフェム、カルバペネム)とグリコペプチド系薬は、細胞壁合成の阻害により、抗菌活性を発揮する。キノロン系抗菌薬は、DNAジャイレースおよびトポイソメラーゼに作用し、DNA複製を阻害し、抗菌活性を発揮する。アミノグリコシド系薬やマクロライド系薬は、細菌の蛋白合成を阻害し、抗菌活性を発揮する。リポペプチド系薬は細胞膜を傷害する。セファゾリンはセフェム系薬、レボフロキサシンはキノロン系薬、ダプトマイシンはリポペプチド系薬、クラリスロマイシンはマクロライド系薬、アルベカシンはアミノグリコシド系薬である。
👉抗菌薬 基本編
プール04
抗菌薬の作用機序
id48a
( q10a )
問題26   デエスカレーションに相当するのはどれか。2つ選べ。(id48a) (q10a)
  1. アンピシリンからセファゾリンに変更する。
  2. バンコマイシンからセファゾリンに変更する。
  3. メロペネムからセフタジジムに変更する。
  4. セフトリアキソンからセフタジジムに変更する。
  5. アルベカシンからダプトマイシンに変更する。
b,c デエスカレーション(De-escalation)とは、抗菌薬治療において、広域抗菌薬やエンピリック治療薬から、より狭域で標的を絞った抗菌薬に変更することを指す。逆に、エスカレーション(Escalation)とは、狭域から広域に変更することを指す。バンコマイシンは、セファゾリンに比較して広域(MSSAとMRSAの両方に有効)であるため、バンコマイシンからセファゾリンへの変更もデエスカレーションと理解されている。メロペネムはカルバペネム系薬で広域抗菌薬として知られる。一方、セフタジジムは第3世代セファロスポリン系薬であり、いわゆる「狭域抗菌薬」ではないが、主に緑膿菌などのグラム陰性菌には有効であるが、グラム陽性菌や嫌気性菌に対する効果が低く、カルバペネム系薬に比較すると狭域である。
👉デエスカレーション
プール10
de-escalation
id48b
( q10b )
問題27   デエスカレーションに相当するのはどれか。2つ選べ。(id48b) (q10b)
  1. アンピシリンからセファゾリンに変更する。
  2. バンコマイシンからセファゾリンに変更する。
  3. メロペネムを減量して使用する。
  4. メロペネムからセフタジジムに変更する。
  5. アルベカシンを減量して使用する。
b,d デエスカレーション(De-escalation)とは、抗菌薬治療において、広域抗菌薬やエンピリック治療薬から、より狭域で標的を絞った抗菌薬に変更することを指す。逆に、エスカレーション(Escalation)とは、狭域から広域に変更することを指す。バンコマイシンは、セファゾリンに比較して広域(MSSAとMRSAの両方に有効)であるため、バンコマイシンからセファゾリンへの変更もデエスカレーションと理解されている。メロペネムはカルバペネム系薬で広域抗菌薬として知られる。一方、セフタジジムは第3世代セファロスポリン系薬であり、いわゆる「狭域抗菌薬」ではないが、主に緑膿菌などのグラム陰性菌には有効であるが、グラム陽性菌や嫌気性菌に対する効果が低く、カルバペネム系薬に比較すると狭域である。用量の増減は、エスカレーションやデエスカレーションではない。
👉デエスカレーション
プール10
de-escalation
id47
( q10c )
問題28   広域抗菌薬はどれか。2つ選べ。(id47) (q10c)
  1. メロペネム
  2. タゾバクタム/ピペラシリン
  3. セファゾリン
  4. スルバクタム/アンピシリン
  5. セフメタゾール
a,b メロペネムはカルバペネム系抗菌薬であり、グラム陽性菌、グラム陰性菌、および嫌気性菌に対して広範な抗菌活性を持つ代表的な広域抗菌薬である。一般に、ペニシリン系薬は狭域であるが、例外的にタゾバクタム(β-ラクタマーゼ阻害薬)とピペラシリン(ペニシリン系抗菌薬)の合剤は、広範囲のグラム陽性菌、グラム陰性菌、および嫌気性菌に効果がある広域抗菌薬である。 プール07
抗菌薬スペクトル
id46
( q11a )
問題29   抗MRSA薬はどれか。2つ選べ。(id46) (q11a)
  1. バンコマイシン
  2. リネゾリド
  3. セフトリアキソン
  4. タゾバクタム/ピペラシリン
  5. アジスロマイシン
a,b メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する抗菌薬として、4系統6種類の抗菌薬が知られる。グリコペプチド系薬のバンコマイシンとテイコプラニン、アミノグリコシド系薬のアルベカシン、オキサゾリジノン系薬のリネゾリドとテジゾリド、リポペプチド系薬のダプトマイシンである。
👉MRSA
プール07
抗菌薬スペクトル
id38
( q11b )
問題30   血中濃度測定(TDM)が必要な抗菌薬はどれか。2つ選べ。(id38) (q11b)
  1. テイコプラニン
  2. アルベカシン
  3. アジスロマイシン
  4. メロペネム
  5. レボフロキサシン
a,b TDM(Therapeutic Drug Monitoring)は、抗菌薬の血中濃度を測定して、治療効果の最適化や副作用のリスク軽減を図る方法である。主に、治療域が狭い薬剤や、腎機能などで薬物動態が大きく影響される薬剤において行われる。抗菌薬では全て抗MRSA薬で、バンコマイシン、テイコプラニン、アルベカシンである。
👉MRSA
プール12
PK/PD・TDM
id36
( q12a )
問題31   バンコマイシン耐性腸球菌のバンコマイシン耐性機構はどれか。(id36) (q12a)
  1. 細胞壁成分D-Ala-D-Ala のD-Ala-D-Lac への変化
  2. 排出ポンプ
  3. 分解酵素の産生
  4. 外膜の透過性の変化
  5. 細胞壁合成酵素PBP2'の産生
a バンコマイシンは、D-Ala-D-Alaに結合することにより作用する。VanAやVanBなどの耐性因子によって、D-Ala-D-Lacに変わることが主な耐性機構である。
👉VRE
プール06
耐性化機構
id35
( q12b )
問題32   メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のメチシリン耐性機構として正しいのはどれか。(id35) (q12b)
  1. 分解酵素の産生
  2. 標的の変異(変異型細胞壁合成酵素の産生)
  3. 排出ポンプ
  4. 細胞壁成分であるD-Ala-D-Ala のD-Ala-D-Lac への変化
  5. ポーリンの減少
b メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のβ-ラクタム系薬に対する耐性は、mecAにコードされるPBP2'によるものである。PBPは細胞壁合成酵素で、β-ラクタム系薬の標的蛋白であるが、PBP2'にはβ-ラクタム系薬が結合しにくいため、耐性を示す。
👉MRSA
プール06
耐性化機構
id34
( q12c )
問題33   メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のメチシリン耐性遺伝子は次のうちどれか。(id34) (q12c)
  1. mecA
  2. ermB
  3. mefA
  4. mexAB
  5. oprD
a メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のβ-ラクタム系薬に対する耐性は、mecAにコードされるPBP2'によるものである。PBPは細胞壁合成酵素で、β-ラクタム系薬の標的蛋白であるが、PBP2'にはβ-ラクタム系薬が結合しにくいため、耐性を示す。
ermBはリボソームの23S rRNAをメチル化してマクロライド系抗菌薬に耐性を示す遺伝子である。
mefAは抗菌薬排出ポンプをコードする遺伝子で、マクロライド耐性に関連する。
mexABグラム陰性菌(特に緑膿菌)の排出ポンプをコードする遺伝子である。
oprDは緑膿菌をはじめとするグラム陰性菌が持つポーリンをコードする遺伝子である。
👉MRSA
プール06
耐性化機構
id33
( q13a )
問題34   タゾバクタム/ピペラシリンが無効な細菌はどれか。2つ選べ。(id33) (q13a)
  1. 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa
  2. レジオネラ(Legionella pneumophila
  3. 基質特異性拡張型β ラクタマーゼ(ESBL)産生大腸菌
  4. メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
  5. β-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)
b,d タゾバクタム/ピペラシリンは、ペニシリン系薬(ピペラシリン)とβ-ラクタマーゼ阻害薬(タゾバクタム)の合剤で、グラム陽性、グラム陰性、嫌気性菌を含む広範な抗菌スペクトラムを持つが、レジオネラのような非定型菌やMRSAには無効である。 プール07
抗菌薬スペクトル
id32
( q13b )
問題35   セフェピムが無効な細菌はどれか。2つ選べ。(id32) (q13b)
  1. 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa
  2. 腸球菌(Enterococcus faecium
  3. メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)
  4. バクテロイデス(Bacteroides fragilis
  5. 肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae
b,d セフェピムは第4世代セファロスポリン系薬であり、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に広い抗菌スペクトラムを持つが、リステリア、腸球菌、嫌気性菌には無効である。 プール07
抗菌薬スペクトル
id31
( q13c )
問題36   緑膿菌に無効な抗菌薬はどれか。2つ選べ。(id31) (q13c)
  1. セフトリアキソン
  2. セファゾリン
  3. セフタジジム
  4. セフェピム
  5. メロペネム
a,b 緑膿菌は、耐性傾向が高いグラム陰性菌であり、比較的広域の抗菌薬の出番が増える。タゾバクタム/ピペラシリンのような抗緑膿菌作用のあるペニシリン、セフタジジムのような抗緑膿菌作用を持つ第3世代セファロスポリン系薬、第4世代セファロスポリン系薬、カルバペネム系薬、シプロフロキサシンのようなフルオロキノロン系薬、アミカシンなどのアミノグリコシド系薬などが選択される。 固定問題
抗菌薬スペクトル
id28
( q13d )
問題37   セファゾリンが無効な細菌はどれか。2つ選べ。(id28) (q13d)
  1. 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa
  2. 腸球菌(Enterococcus faecium
  3. メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)
  4. 大腸菌(Escherichia coli
  5. 肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae
a,b セファゾリンは第1世代セファロスポリン系薬であり、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)や肺炎球菌、大腸菌(耐性の場合を除く)に対して優れた抗菌活性を持つ。インフルエンザ菌には無効で、抗緑膿菌作用もない。元来セフェム系薬が無効な腸球菌やリステリア、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生大腸菌などには無効である。 プール07
抗菌薬スペクトル
id29
( q13e )
問題38   セフトリアキソンが無効な細菌はどれか。2つ選べ。(id29) (q13e)
  1. 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa
  2. 腸球菌(Enterococcus faecium
  3. メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)
  4. 大腸菌(Escherichia coli
  5. 肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae
a,b セフトリアキソンは、抗緑膿菌作用のない第3世代セファロスポリン系薬である。肺炎球菌やメチシリン感受性黄色ブドウ球菌、大腸菌、インフルエンザ菌に有効である。セフェム系薬が無効な腸球菌やリステリア、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生大腸菌などには無効である。 プール07
抗菌薬スペクトル
id30
( q13f )
問題39   セフタジジムが無効な細菌はどれか。2つ選べ。(id30) (q13f)
  1. 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa
  2. メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)
  3. 基質特異性拡張型β ラクタマーゼ(ESBL)産生大腸菌
  4. インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae
  5. モラクセラ(Moraxella catarrhalis
b,c セフタジジムは抗緑膿菌作用のある第3世代セファロスポリン系薬であり、特に緑膿菌を含むグラム陰性桿菌に有効である。しかしながら、グラム陽性菌に対する効果は劣る。また、基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生菌には無効である。 プール07
抗菌薬スペクトル
id10
( q14b )
問題40   血液培養から分離された場合、汚染菌の可能性が高い菌はどれか。2つ選べ。(id10) (q14b)
  1. Bacillus subtilis
  2. Escherichia coli
  3. Staphylococcus aureus
  4. Propionibacterium acnes
  5. Pseudomonas aeruginosa
a,d 血液培養で分離される菌の中には、実際の感染症の原因ではなく、採血時の皮膚常在菌などによる汚染として検出されるものがある。環境中に多いBacillus subtilisや皮膚の常在菌であるPropionibacterium acnesは汚染菌を考慮する必要がある。 固定問題
検査・その他
id11
( q14b_2 )
問題41   検体と検出菌の組合せで汚染菌の可能性が高いのはどれか。(id11) (q14b_2)
  1. 喀痰 --- Streptococcus pneumoniae
  2. 血液 --- Staphylococcus aureus
  3. 髄液 --- Propionibacterium acnes
  4. 胆汁 --- Klebsiella pneumoniae
  5. 中間尿 --- Haemophilus influenzae
c 臨床検体から分離された菌が、感染症の原因菌なのか、それとも検体採取時の汚染によるものなのかを判断するには、菌の性質と採取部位の状況を考慮する必要がある。 プール09
グラム染色
id04
( q14c )
問題42   喀痰のグラム染色から推定される菌種はどれか。(id04) (q14c)
  1. 肺炎桿菌
  2. 肺炎球菌
  3. モラクセラ
  4. インフルエンザ菌
  5. 緑膿菌
b 問題中ではグラム陽性双球菌の写真を示した。典型的な肺炎球菌のグラム染色である。 固定問題
グラム染色
id14
( q15a )
問題43   喀痰の検体として適しているのはどれか。2つ選べ。(id14) (q15a)
  1. 唾液,完全な粘液性痰
  2. Geckler分類で1の検体
  3. Miller-Jones分類でM1の検体
  4. Miller-Jones分類でP3の検体
  5. Geckler分類で5の検体
d,e Miller-Jones分類は肉眼的な質の評価方法で、喀痰の膿性部分有無によって、M(唾液主体)とP(病変由来の痰)に分ける方法である。M1、M2、P1、P2、P3の5段階評価で、M1は完全な唾液であり不適切である。P3は2/3以上が膿性部分で最も適している。一方、Geckler分類は顕微鏡的な質の評価方法で、G1からG6までの6段階に分ける。好中球が多く、扁平上皮が少ないG5が最も適している。 プール09
グラム染色
id16
( q16a )
問題44   抗菌薬におけるPK/PD理論として正しいのはどれか。2つ選べ。(id16) (q16a)
  1. 代表的なPK/PD パラメータは、Cmax/MIC、AUC/MIC、Time above MIC(T>MIC)の3つがある。
  2. Cmax/MIC と効果が相関する抗菌薬は、時間依存的に殺菌作用を示し、1日量を分割し投与回数を増やすことで効果を高めることができる。
  3. Time above MIC と効果が相関する抗菌薬は、濃度依存的に殺菌作用を示し、1日用量を分割投与するよりも1 日1回で投与することで効果を高めることができる。
  4. ペニシリン系薬は、Cmax/MIC と効果が相関する。
  5. バンコマイシンは、AUC/MIC と効果が相関する。
a,e 抗菌薬におけるPK/PDとは、抗菌薬の用法・用量と作用の関係を表し、抗菌薬の有効性や安全性の観点から最適な用法・用量を設定し、適正な臨床使用を実践するための考え方である。抗菌薬の種類によって、有効性の指標となるPK/PDパラメータは異なるため、投与設計の提案をする上で各抗菌薬の特性を理解する必要がある。代表的なPK/PDパラメータとして、Cmax/MIC、AUC/MIC、Time above MIC(T>MIC)などがある。
Cmax/MICやAUC/MICは、主にフルオロキノロン系薬などの濃度依存性の抗菌薬の効果の指標に用いられ、1日量を分割せずに使用する方が高い効果が得られやすい。T>MICはβ-ラクタム系薬などの時間依存性抗菌薬に適しており、1日量を分割投与したほうが高い値が得られやすい。バンコマイシンはAUC/MICが効果と関連する。
👉PK/PD
プール12
PK/PD・TDM
id20
( q16b )
問題45   強力なCYP 阻害作用を持つ抗微生物薬はどれか。2つ選べ。(id20) (q16b)
  1. ミカファンギン
  2. ボリコナゾール
  3. リファンピシン
  4. クラリスロマイシン
  5. アジスロマイシン
b,d CYP(シトクロムP450)酵素系は薬物代謝に関与し、これを阻害する薬剤は薬物相互作用を引き起こす可能性がある。抗菌薬や抗真菌薬の中にもCYP阻害作用を持つものがあり、特にCYP3A4に強い影響を与える薬剤が知られている。
抗微生物薬のうち、強力なCYP阻害作用を持つものとして、アゾール系抗真菌薬のイトラコナゾール、ボリコナゾール、ポサコナゾール、マクロライド系薬のエリスロマイシンやクラリスロマイシンが挙げられる。アジスロマイシンもマクロライド系薬に分類されるが、そのCYP阻害作用は非常に弱いことが知られている。リファンピシンはCYPの強力な阻害薬ではなく、誘導薬である。
固定問題
抗菌薬の副作用・相互作用
id21
( q16c )
問題46   抗MRSA薬のうち、肺炎治療に適さないものはどれか。(id21) (q16c)
  1. バンコマイシン
  2. テイコプラニン
  3. リネゾリド
  4. ダプトマイシン
  5. アルベカシン
d ダプトマイシンは肺サーファクタントに結合すると不活化されるため、肺炎には使用しないこととされている(キュビシン添付文書)。
MRSA感染症の治療ガイドライン2019では、MRSA肺炎の治療には、「第一選択薬として、リネゾリドもしくはバンコマイシン、テイコプラニンを選択、第二選択としてアルベカシンも選択される」との記載がある。
👉MRSA
プール12
PK/PD・TDM
id25
( q16d )
問題47   髄液移行性の乏しい抗微生物薬はどれか。2つ選べ。(id25) (q16d)
  1. セファゾリン
  2. セフトリアキソン
  3. レボフロキサシン
  4. ボリコナゾール
  5. ミカファンギン
a,e 髄膜炎などの中枢神経系感染症では、薬剤が血液脳関門を通過して髄液中に到達するかが治療の成否を左右する。セファゾリンは第1世代セファロスポリン系薬である。髄液移行性が乏しいため、髄膜炎治療には適さない。ミカファンギンはキャンディン系抗真菌薬であり、髄液移行性が非常に低いため、中枢神経系真菌感染症には使用されない。
👉MRSA
プール12
PK/PD・TDM
id26
( q16e )
問題48   食事により吸収低下が懸念されるため、「空腹時」や「食間」の投与が推奨される抗微生物薬はどれか。2つ選べ。(id26) (q16e)
  1. イトラコナゾールカプセル
  2. イトラコナゾール内用液
  3. ボリコナゾール錠
  4. ポサコナゾール錠
  5. イサブコナゾールカプセル
b,c 食事によって吸収が低下するものがあり、その場合は「空腹時」または「食間」での投与が推奨される。イトラコナゾールは、製剤によって異なり、 イトラコナゾール内用液は食事による吸収低下が懸念されるため、「空腹時」に内服することとなっている。ボリコナゾール錠は、食事による吸収低下が懸念されるため、「食間」に内服することとされている。一方、イトラコナゾールカプセルは食事により吸収が増大するため、「食直後」に内服する。 ポサコナゾール錠、イサブコナゾールカプセルは、添付文書に「食事に関係なく投与可能である(外国人データ)」と記載されている。 プール11
抗菌薬の副作用・相互作用
id17
( q17a )
問題49   血液培養からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) が検出された場合の対応として正しいのはどれか。2つ選べ。(id17) (q17a)
  1. バンコマイシンを投与する。
  2. セファゾリンを投与する。
  3. 血管内留置カテーテルは温存する。
  4. 心エコーを行う。
  5. 1週間抗菌薬投与を行う。
a,d 血液培養から黄色ブドウ球菌が検出された場合の対応として遵守すべきバンドルが存在し、遵守により予後が改善することがわかっている。具体的には
  • 適切な抗菌薬の投与
  • ソースコントロール
  • 血液培養の再検
  • 心エコーの施行
  • 適切な投与期間
が挙げられる。
👉MRSA
プール08
症例
id22
( q17b )
問題50   70代の女性。基礎疾患、既往歴はなし。数日前から排尿時痛、その後38 度台の発熱がみられ、来院した。体温:38.0 度、脈拍:92 回/分、血圧:112/76mmHg、呼吸数:16 回/分、心音、呼吸音異常なし。右肋骨脊柱角叩打痛あり。腎機能は正常。尿グラム染色はでは太いグラム陰性桿菌の貪食像あり。経験的治療として適切なものはどれか。2つ選べ。(id22) (q17b)
  1. アンピシリン
  2. セファゾリン
  3. セフメタゾール
  4. タゾバクタム/ピペラシリン
  5. レボフロキサシン
c,d グラム染色をもとに腎盂腎炎の経験的治療を選択させる問題である。基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生を含む大腸菌を想定した初期治療をてきるかがポイントとなる。キノロン耐性大腸菌が増えており、初期治療としては不適である。 固定問題
症例
id23
( q17c )
問題51   50代の男性。入院前日より40℃台の発熱。入院当日朝に家族より、本人に話しかけても様子がおかしいとの連絡があり救急車で来院。バイタル:JCS--10 血圧 94/76mmHg,脈拍114 回/分、体温 39.4℃ SpO2:93% 呼吸数:24 回/分。既往歴はなし。項部硬直(+)、Kernig 徴候(+)。 腎機能は正常。血液培養採取後に投与すべき薬剤はどれか。3つ選べ。(id23) (q17c)
  1. ペニシリンG
  2. セファゾリン
  3. セフトリアキソン
  4. バンコマイシン
  5. デキサメタゾン
c,d,e 市中発症の髄膜炎の初期治療を問う問題である。髄膜炎を強く示唆する所見(高熱、意識障害、項部硬直、Kernig徴候)があり、重症度や年齢を考慮すると、肺炎球菌が原因菌として最も考えられる。肺炎球菌を想定した治療を行うこと、ステロイドを使用することがポイントとなる。髄液移行性のよいセフトリアキソンと、グラム陽性球菌に強いバンコマイシンを併用する。また、髄膜炎の初期治療では、デキサメタゾンによる抗炎症作用が炎症性サイトカインの抑制に有効であり、神経学的後遺症のリスクを軽減する。抗菌薬投与と同時または直前に投与することが推奨される。ただし、デキサメサゾンを投与されている患者はバンコマイシンの髄液への移行性が低下するとの報告もある。 プール08
症例
id24
( q17d )
問題52   80代の男性。胆管癌術後に胆管炎を発症。経験的治療としてタゾバクタム/ピペラシリンを開始するとともに胆道ドレナージが施行され、全身状態は改善。数日後血液培養と胆汁培養からともにEnterococcus faecalisが検出された。標的治療として最も適切な抗菌薬はどれか。(id24) (q17d)
  1. アンピシリン/スルバクタム
  2. セファゾリン
  3. セフメタゾール
  4. タゾバクタム/ピペラシリン
  5. レボフロキサシン
a 腸球菌(Enterococcus faecalis)による胆管炎に対する適切な抗菌薬選択を問う問題である。Enterococcus faecalisはセフェム系薬に対する自然耐性を持つことに注意する。胆管炎の初期治療の段階であり、嫌気性菌のカバーも考慮することもポイントとなる。 プール08
症例
id18
( q18 )
問題53   標準予防策として適切なものはどれか。2つ選べ。(id18) (q18)
  1. 血液や体液などに触れる可能性がある場合は手袋を着用して作業する。
  2. 手袋が汚染していない場合は手袋を外した後の手指衛生は不要である。
  3. 病室に入る際は必ず手袋を着用する必要がある。
  4. 手に目に見える汚染がある場合は手指消毒を行う。
  5. 手に目に見える汚染がある場合は流水と石鹸で手洗いを行う。
a,e 標準予防策(Standard Precautions)は、感染対策の基本である。患者の感染の有無に関わらず、全ての人に対して実践する感染対策で、特に手指衛生と個人防護具(Personal Protective Equipment, PPE)の着脱が重要である。血液や体液など湿性生体物質は感染リスクがあると考え、PPEを着用する。ただし、つけっぱなしではなく、汚染したら速やかに外して手指衛生を行う。手指衛生には、手指消毒と流水と石による手洗いがあり、手の汚染状況によって使い分ける。手に目に見える汚染がある場合は、流水と石鹸による手洗い、目に見える汚染がない場合は、手指消毒を行う。手袋の汚染に関わらず、手袋を外した後は必ず手指消毒を行う。 固定問題
標準予防策
id19
( q19 )
問題54   微生物検査結果について医師へ緊急報告が必要なのはどれか。2つ選べ。(id19) (q19)
  1. 中間尿から大腸菌を検出した場合。
  2. 便から大腸菌を検出した場合。
  3. 血液から黄色ブドウ球菌を検出した場合。
  4. 皮膚から表皮ブドウ球菌を検出した場合。
  5. 喀痰から結核菌を検出した場合。
c,e 無菌材料からの菌の検出や、感染症法で届出対象となっている結核菌などの菌が検出された場合等、緊急で報告が必要な場面を把握できているかを問う。 プール09
グラム染色
qplus1
( qplus1 )
問題55   血液培養に関する説明として正しいのはどれか。2つ選べ。(id plus1a) (qplus1)
  1. 振戦が起きているときには危険なので採取しない。
  2. 体温が37度を超えるまでは採取しない。
  3. 2セット以上採取する。
  4. 体温が上昇しているときに採取する。
  5. 抗菌薬を投与後に採取する。
c,d 適切な方法で採取することで、検出率を高め、汚染を防ぐことが重要である。血液培養は2セット以上(異なる部位または異なる時間で)採取することで、菌血症の検出感度を高め、汚染菌の判別にも役立つ。菌血症は体温上昇のタイミングで血中に菌が出現することが多いため、体温が上昇しているときの採取が推奨される。ただし、低体温の時に採取が必要な場合もある。抗菌薬投与後は検出感度が低下するため、原則として投与前に採取し、採取後速やかに抗菌薬を投与する。 固定問題
血液培養