腸内細菌科(Enterobacteriaceae)に属する細菌は、ヒトや動物の腸内に生息するグラム陰性桿菌です。代表的な腸内細菌科の細菌には、Escherichia coli(大腸菌)とKlebsiella pneumoniae(肺炎桿菌)があります。これらは腸内に常在し、時には病原性を示すこともあります。Escherichia coliは通常は腸内に存在し、ビタミンKの生成などに役立ちますが、特定の病原性株(O157など)は食中毒や尿路感染症を引き起こします。Klebsiella pneumoniaeは、病院感染や肺炎、尿路感染症などを引き起こすことがあります。一方、Enterococcus faeciumhは腸内細菌(腸内常在菌)ですが、腸内細菌科ではありません。Streptococcus pneumoniae(肺炎球菌)はグラム陽性球菌、Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)はブドウ糖非発酵菌に分類されます。
グラム陰性桿菌のうち、ブドウ糖非発酵菌に属する菌種は、ブドウ糖(グルコース)を発酵せず、好気的にグルコースを分解することでエネルギーを産生します。Acinetobacter baumanniiとPseudomonas aeruginosa(緑膿菌)がその代表です。両者とも水回りや医療機器などの湿潤環境でよく見られ、特に免疫力が低下した患者で感染症を引き起こしやすく、人工呼吸器関連肺炎(VAP)の主要な原因菌の一つです。Pseudomonas aeruginosaは、抗菌薬に対して耐性傾向を示し、アミノペニシリン系薬には自然耐性ですが、ピペラシリンには通常感受性を示します。
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